ひつまぶしの意味や由来は?発祥は”あつた蓬莱軒”か”いば昇”?それとも”つたや(三重県津市)”?

あつた蓬莱軒

夏が近づくと食べたくなる鰻。それも名古屋人の管理人は、ひつまぶしが食べたくなります。1膳目は、鰻本来の甘辛く香ばしい皮とぷりぷりの身を味わい、2膳目は、ワサビやゴマ、のりを加えて薬味と一緒にいただきます。

そして3膳目は、薬味をたっぷりのせてだし汁のお茶漬けにします。4膳目は、お好みの食べ方で食べますが、管理人は迷わずだし汁のお茶漬け。薬味たっぷりがたまりません。

そんなひつまぶしですが、ひそかに発祥はどこなのかという話題があるようです。

 

 

ひつまぶしの意味や由来は?

そもそも『ひつまぶし』の意味やその名前の由来はどんなものなのでしょうか。

『ひつまぶし』とは、甘辛く秘伝のたれで焼き上げた皮目パリっと、身はぷりぷりっとした鰻を細く刻んで、たれのかかったご飯の上にのせたもの。

木の器、木のお櫃(ひつ)に入れられていることと、まぶし(混ぜ)て食べることから、ひつまぶしという名前が付いたのだと言われています。

 

ひつまぶしの発祥は”名古屋蓬莱軒”か”いば昇”?それとも”つたや(三重県津市)”?

今では、有名なウナギ料理となっているひつまぶしですが、その発祥の地はどこなのでしょうか。ひつまぶしが出来た歴史について見ていきましょう。

 

ひつまぶしの歴史とは?

明治6年(1873年)鈴木甚蔵が『あつた蓬莱軒』創業。

当時の『あつた蓬莱軒』では、蒲焼(うなぎ)とかしわ(鶏)が名物だったそう。近くの川岸などでとれる魚やエビなどのてんぷらを出すなど懐石料理のお店だった。

創業当時は出前が多く、から陶器の器を引き取るときにどんぶりを割ることがとても多かったそう。2代目の店主と女中頭のお梅さんが木の器(大きなおひつ)に5人分くらいを入れて出前することを提案したそう。

でも、大きなお櫃の上にのっている鰻だけを食べてしまって、ご飯が残るという問題が起きてしまったとか。木の大きなおひつにウナギを入れて数人分を出前するのはとても好評だったので、鰻をもっと細かく切って、ご飯と混ぜ(まぶし)て出すようになったそう。

明治20年代には、鰻を刻むような今のひつまぶしの形が出来上がったようです。現在のひつまぶしの形態は、お酒をたくさん飲んだ人は、しめの茶漬けにする人にも好評だったそう。

でもお茶漬けにすると、ウナギの生臭みを感じてしまったそう。なので鰻に合うようなだし汁を考えたことから、だし汁でのお茶漬けが生まれたとのこと。

ひつまぶしをたくさん食べたい人は、何倍でもお代わりが自由なところも万人に受け入れられることになったようです。

1909年 いば昇が創業。

1800年代後半に名古屋の東海道で食べられるようになったひつまぶしですが、同じ名古屋に『いば昇』が創業したことで、よりひつまぶしの認知度も上がったのではないでしょうか。

現在のひつまぶしの価格は、いば昇さんの方がお値打ちに食べることが出来ます。

昭和50年ごろには、三重県津市で明治8年に創業していた『つたや』でもひつまぶしをメニューとして始めたそう。

 

ひつまぶしの発祥は、あつた蓬莱軒という説が有力と思われる

様々な話を総合してみるとはやり、あつた蓬莱軒が発祥というのが有力ではと思われます。あつた蓬莱軒は今では、本店(愛知県名古屋市熱田区神戸町503)と熱田神宮そばの神宮店(愛知県名古屋市熱田区神宮2-10-26)があります。

あつた蓬莱軒の神宮店が出来たのは、太平洋戦争が終わった1947年ごろのこと。あつた蓬莱軒4代目店主・兼三さん(現在のおかみ・詔子さんの父)が熱田神宮の東門付近の敷地内に出店したことが、始まりだと言います。

あつた蓬莱軒

(写真左が5代目おかみ・詔子さん。写真右が6代目・淑久さんの妻・裕子さん)

あつた蓬莱軒の本店では、会席料理を本格的に提供する特別な日のためのお店。そして、熱田神宮の敷地内に出した神宮店では、会席料理を食べることのあまりない方々に召し上がっていただくためにひつまぶしを提供するようになったそう。

会席料理として出されているときにはひつまぶしを食べることのなかった人々もひつまぶしを知ることで、一気にひつまぶしは世間に知れ渡ることになったのでしょう。

あつた蓬莱軒4代目店主のおかみ・せき子さん(現在のおかみ・詔子さんの母)の話される上品な名古屋弁も評判だったそう。

そして昭和42年には、あつた蓬莱軒5代目店主・亨さん(現在のおかみ・詔子さんのご主人)が熱田神宮店をより人々に親しまれるようにと改装して、さらにお客さんが増えたそうです。

その後1997年(平成8年)には、熱田神宮敷地内から移転することになり、一時的に熱田神宮店が営業をお休みすることになったそう。

そんな熱田神宮店のお休みの間、お客さんは本店を訪れるようになり、本店の人気も上がったのだそうです。

 

まとめ

『ひつまぶしの意味や由来は?発祥は”名古屋蓬莱軒”か”いば昇”?それとも”つたや(三重県津市)”?』としてまとめてきました。記事を書きながらお腹が空いてきてしまった管理人ですが、近いうちひつまぶしを頂きに行こうと思います。

最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございました。