介護福祉士の実務者研修の科目と内容は?通信だけでは取れない単位とは?

介護福祉士 実務者研修 科目

社会人から介護福祉士になるには、介護施設での3年以上の実務経験と『実務者研修』が必須となっています。実務者研修は、通信講座とスクーリングで学ぶ方法があります。

ユーキャンやニチイなど通信講座の中でも、2つの科目だけはスクーリングして学ぶことになっています。通信講座だけで介護福祉士の受験資格が取得できると勘違いされがちなので、注意が必要です。

通信講座で働きながら自宅などで学び、実務経験を重ね、スクーリングで必要な講座を受けることで介護福祉士の国家試験を受ける資格が得られます。

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介護福祉士の実務者研修の科目と内容は?

国家資格である介護福祉士を受験するためには、3年以上の実務経験と実務者研修が必要となります。

 

介護福祉士の『実務者研修』の科目は?

介護福祉士の実習者研修では、高齢者や障害をお持ちの方をケアするための知識を学ぶことが出来ます。

保有資格
ホームヘルパー
科 目 時間数 無し 3級 2級 1級 初任者
研修
人間の尊厳と自立 5時間
社会の理解Ⅰ 5時間
社会の理解Ⅱ 30時間
介護の基本Ⅰ 10時間
介護の基本Ⅱ 20時間
コミュニケーション技術 20時間
生活支援技術Ⅰ 20時間
生活支援技術Ⅱ 30時間
発達と老化の理解Ⅰ 10時間
発達と老化の理解Ⅱ 20時間
認知症の理解Ⅰ 10時間
認知症の理解Ⅱ 20時間
障害の理解Ⅰ 10時間
障害の理解Ⅱ 20時間
こころとからだのしくみⅠ 20時間
こころとからだのしくみⅡ 60時間
介護過程Ⅰ 20時間
介護過程Ⅱ 25時間
介護過程Ⅲ 45時間
医療的ケア(演習) 50時間
合 計 450時間 450時間 420時間 320時間 0時間 320時間
介護福祉士 実務者研修 科目

 

介護福祉士の『実務者研修』の科目内容は?

介護福祉士の実務者研修の科目は20科目、450時間に及びます。ですがこれは、介護の資格を全く取得していない人の場合。すでにホームヘルパー1級・2級・3級や初任者研修の資格を取得している場合んは、免除される科目も多くあります。

 

【人間の尊厳と自立 】5時間

  • 介護を要する利用者を人間として尊重し、高齢であることや障害があることを理由に施設などで隔離するのではなく、自律および自立を支援し、利用者の個人の情報や権利などを守るといった基本的な理念について。

人間の尊厳と自立

  1. 人間の多面的な理解と尊厳
  2. 自立・自律の支援
  3. 人権と尊厳

 

【社会の理解Ⅰ】 5時間

  • 介護保険制度の目的、体系、役割の内容や種類、利用者の負担と利用までの流れ、専門的な職業としての役割などを理解し、利用者に対してアドバイスできる。

社会の理解Ⅰ

  1. 介護保険制度創設の背景と目的
  2. 介護保険制度の基礎的理解
  3. 介護保険制度における専門職の役割

 

【社会の理解Ⅱ】 30時間

  • 社会・地域・家族とのつながりから福祉と生活を考えることが出来、社会保障制度の体系や発達・財源などの基礎的な知識を身につける。
  • 障害者自立支援制度の目的や体系、役割の内容とその種類、利用者の負担、利用するための流れ、介護福祉士の専門的な仕事の内容を理解して利用する人にアドバイスすることが出来る。
  • 介護を行う上で関係する制度(生活保護制度・保健医療サービス・成年後見制度など)の要項を認識している。

社会の理解Ⅱ

  1. 生活と福祉
  2. 社会保障制度
  3. 障害者自立支援制度
  4. 介護実践に関わる諸制度

 

【介護の基本Ⅰ】 10時間

  • 介護福祉士制度の成り立ち、法律的な概念、仕事の範囲・仕事内容。
  • 利用者個人のケアや国際生活機能分類(ICF)、リハビリの見解を理解して、個人を尊重し、利用者自身が自立できる介護をする為の手順。
  • 介護福祉士の職業をする上でのモラル、体を拘束することの禁止、虐待を防止することに関する法律や制度を学び、コンプライアンスを守ることを学ぶ。

介護の基本Ⅰ

  1. 介護福祉士の制度
  2. 尊厳の保持、自立に向けた介護の考え方と展開
  3. 介護福祉士の倫理

 

【介護の基本Ⅱ】 20時間

  • 介護を要する高齢の方や障害のある方の暮らしをを学び、必要とする支援や需要を考えることが出来る
  • 利用者に関わる関係機関や職種のチームアプローチの役目、連携するための方法を学ぶ。
  • 介護における安全確保(感染管理、事故の防止、リスクの分析)を学ぶ。
  • 介護福祉士自身の体と心を健やかに保つ管理や労働に関する安全対策の知識を学ぶ

介護の基本Ⅱ

  1. 介護を必要とする人の生活の理解と支援
  2. 介護実践における連携
  3. 介護における安全の確保とリスクマネジメント
  4. 介護福祉士の安全

 

【コミュニケーション技術】 20時間

  • 利用する方や家族との交流、相談やアドバイスするためのスキルを学ぶ
  • 支援するための関係を作り、需要と望みを聞き取ることが出来る
  • 利用する方の感性や運動に関する能力に応じたやり取りの方法を選びながら、活動に生かす
  • 環境や目標に応じた報告や記録をし、ミーティングなどで内容を共有することが出来る

コミュニケーション技術

  1. 介護におけるコミュニケーション
  2. 介護におけるコミュニケーション技術
  3. 介護場面における利用者・家族とのコミュニケーション
  4. 介護におけるチームのコミュニケーション

 

【生活支援技術Ⅰ】 20時間

  • 生活の補助のための国際生活機能分類(ICF)の持つ意味と構成を学ぶ
  • 人間の骨や関節筋肉などの運動機能のお互いの関係や名前、力学的なお互いの関係を活用したボディメカニクスを活かした、介護の原理を分かり、実際に行うことが出来る
  • 食事、風呂、清潔を保つこと、排せつ、衣類の脱ぎ着、お口の清潔を保つこと、家事の補助、移動などの介護の技術の基礎を理解する
  • 住まい状況の整備、福祉のための用具を活用し、利用者の生活状況を整えるための目線、注意点を習得する

生活支援技術Ⅰ

  1. 生活支援とICF
  2. 居住環境の整備と福祉用具の活用
  3. 移動・移乗の介護技術の基本
  4. 食事の介護技術の基本
  5. 入浴・清潔保持の介護技術の基本
  6. 排泄の介護技術の基本
  7. 着脱、整容、口腔清潔の介護技術の基本
  8. 家事援助の基本

 

【生活支援技術Ⅱ】 30時間

利用者のそれぞれの状況(食事・入浴・移乗・移動・排せつ・清潔を保つこと・衣類の脱ぎ着・お口の清潔・眠り・人生の終末の介護)における、利用者の心と体の状況に合わせた介護と福祉のための道具を用い、環境を整備することが出来る

生活支援技術Ⅱ

  1. 移動・移乗の介護
  2. 食事の介護
  3. 入浴・清潔保持の介護
  4. 排泄の介護
  5. 着脱、整容、口腔清潔の介護
  6. 睡眠の介護
  7. 終末期の介護

 

【発達と老化の理解Ⅰ】 10時間

  • 老いによる心の変化の特色と日常の暮らしへ及ぼす影響を学ぶ
  • 老いによる体の変化の特色と日常の暮らしへ及ぼす影響を学ぶ

発達と老化の理解Ⅰ

  1. こころの変化と日常生活への影響
  2. からだの変化と日常生活への影響

 

【発達と老化の理解Ⅱ】 20時間

  • 成長の意義や成長の段階、成長の過程について学ぶ
  • 高齢期の成長の役割、心の役割と補助のための注意点について学ぶ
  • 老人に多い病気・病状などをサポートするための注意点について学ぶ

発達と老化の理解Ⅱ

  1. 人間の成長・発達
  2. 老年期の発達・成熟の心理
  3. 高齢者に多くみられる症状・疾病など
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【認知症の理解Ⅰ】 10時間

  • 認知症の方の介護プロセスをおさえ、現代的な認知症介護の理論を学ぶ
  • 認知症の方の生活する上での心の動きや体の動き、生活の妨げの特色を学ぶ
  • 認知症の方と家族とのコミュニケーションの基礎を学ぶ

認知症の理解Ⅰ

  1. 認知症ケアの理念と視点
  2. 認知症による生活障害、心理・行動の特徴
  3. 認知症の人との関わり、支援の基本

 

【認知症の理解Ⅱ】 20時間

  • 主な認知症の要因や状態、生活上の妨げとなることやその進行具合による変化。チェックと療法についての医学的な知識を学ぶ
  • 認知症の方のこれまでの生活や病気の状態、家族や社会とのコミュニケーション、住まいの環境などについて評価し、その方の状態に合わせたサポートが出来る
  • 居住する地域での支援体制を学び、サポートに活かすことが出来る

認知症の理解Ⅱ

  1. 医学的側面からみた認知症の理解
  2. 認知症の人や家族への支援の実際

 

【障害の理解Ⅰ】 10時間

  • 障害の概要や障害者の福祉の経緯を知り、現代的な障害者の福祉の方針を学ぶ
  • 体、知的、発達障害、精神、難病などの障害による生活する上での妨げとなることや心の動き、行動の特色を学ぶ
  • 障害者・障害児と家族とのコミュニケーションやサポートの基礎を学ぶ

障害の理解Ⅰ

  1. 障害者福祉の理解
  2. 障害による生活障害、心理・行動の特徴
  3. 障害児(者)や家族への関わり・支援の基本

 

【障害の理解Ⅱ】 20時間

  • 医学的知識(障害に関する特徴や原因とその種類、障害による役割の変化について)を学ぶ
  • 障害者・障害児の持つ障害や家族、社会との関係、住まいの環境についての評価や状態に応じたサポートを学ぶ
  • 居住地域に合わせた援助の体制を学ぶ

障害の理解Ⅱ

  1. 医学的側面からみた障害の理解
  2. 障害児(者)への支援の実際

 

【こころとからだのしくみⅠ】 20時間

  • 介護に関する身体的な仕組みや機能などの基礎的な知識を学ぶ

こころとからだのしくみⅠ

  1. 移動・移乗に関連するからだのしくみ
  2. 食事に関連するからだのしくみ
  3. 入浴・清潔保持に関連する体のしくみ
  4. 排泄に関連するからだのしくみ
  5. 着脱、整容、口腔清潔に関連する体のしくみ
  6. 睡眠に関連するからだのしくみ

 

【こころとからだのしくみⅡ】 60時間

  • 人間の記憶や学習、基本的な欲求などの基礎的な知識を学ぶ
  • 人の体のはたらき(骨格や関節、筋肉、神経、力学的なお互いの関係を活用したボディメカニクス)や、生命の安定化や維持などの基礎的な知識を学ぶ
  • 人間の心理や認知する機能、体の仕組みについての知識を活かし、評価し経過を観察し、介護し、他の職種とのコミュニケーションが行える

こころとからだのしくみⅡ

  1. 人間の心理
  2. 人体の構造と機能
  3. 移動・移乗における観察のポイント
  4. 食事における観察のポイント
  5. 入浴・清潔保持における観察のポイント
  6. 排泄における観察のポイント
  7. 着脱、整容、口腔清潔における観察のポイント
  8. 睡眠における観察のポイント
  9. 終末期における観察のポイント

 

【介護過程Ⅰ】 20時間

  • 介護プロセスの目標・意味・進展などを学ぶ
  • 介護プロセスを理解し、目的に沿って体系的に介護をする
  • 複数人での介護プロセスを実現するために各職種の役目を学び、情報を共有する方法を学ぶ

介護過程Ⅰ

  1. 介護課程の意義と目的
  2. 介護課程の展開
  3. 介護課程とチームアプローチ

 

【介護過程Ⅱ】 25時間

  • 情報を集め判断し、介護のための計画を立て実施し、監視し、介護の計画を練り直すことが出来る

介護過程Ⅱ

  1. 介護職による介護課程の進め方
  2. 介護課程の実践的展開
  3. 施設で暮らす高齢者の介護課程
  4. 在宅で暮らす高齢者の介護課程

 

【介護過程Ⅲ】 45時間

  • 介護の実務者研修で習得した情報や技能を完全に身につけて、活かすことが出来る
  • スキルや知識を総括的に生かし、利用者の心と体の状態に合わせて、介護プロセスを実施し、体系的な介護を行うことが出来る
  • 介護プロセスを理解し、安全を確保し事故を防止し、家族とのコミュニケーションや援助を行い、他の職種や機関とも協力することが出来る

介護過程Ⅲ

  1. 利用者の特性に応じた介護課程の実践的展開

 

【医療的ケア】 50時間

  • 医療面でのサポートを安全に行うための基礎的な知識を学ぶ
  • 医療面でのサポートに関係する法律・制度・理論を学ぶ
  • 感染予防のための安全に管理するための体制について基礎的な知識を学ぶ

医療的ケア

  1. 医療的ケア
  2. 安全な療養生活
  3. 清潔保持と感染予防
  4. 健康状態の把握
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実務者研修の通信だけでは取れない単位とは?

介護福祉士の受験資格を得るための実務者研修。通学(スクーリング)無しで学べる科目もありますが、通信であったとしても通学(スクーリング)が必要な科目があります。

 

【介護過程Ⅲ】具体的な例を実践する

【介護課程Ⅲ】では、利用者の特徴に合わせた介護プロセスを実践することが求められています。生活していくことの意義や人生の大切さ、介護という仕事の魅力を理解し、実際の具体例を基に進んでいくようです。

例えば、都会で一人で暮らす高齢の方の生活面でのサポートや、自宅で最期を迎える高齢者の方とその家族をサポートするための方法、介護施設で暮らす利用者へのサポートなどがあるようです。

 

【医療的ケア(演習)】喀痰吸引・経管栄養・救急蘇生法など

医療的ケアの演習は、このような内容となっています。

  • 喀痰吸引(かくたんきゅういん)のケア
  • 経管栄養のケア
  • 救急蘇生法

 

喀痰吸引(かくたんきゅういん)のケア

喀痰吸引(かくたんきゅういん)とは、吸引装置を使用し、痰を吸引し排痰をすることを言います。咳などによって痰や唾を吐きだす力が弱い人のために行います。

経管栄養のケア

経管栄養とは、カテーテルやチューブなどを使用して、直接胃や腸に栄養分を注入することを言います。

救急蘇生法

心肺蘇生法とは、呼吸が無く心臓が動いていないとみられる場合、救命のための機会を維持するために行われる。主な方法は、心臓マッサージがあります。

 

介護福祉士の合格点や合格率は?

介護福祉士の合格点は、総得点の60%となっています。2018年に行われた第30回介護福祉士国家試験では、総得点125点のうち77点が合格基準点となったそうです。

総得点125点の60%というと75点なのですが、2点補正されたことになります。これまでの合格基準点や合格率、合格発表日については、介護福祉士の合格点や合格率はいくつ?2020年の合格発表や受験料は?の記事の中で詳しく解説しています。

 

まとめ

『介護福祉士の実務者研修の科目と内容は?通信だけでは取れない単位とは?』としたまとめてきました。介護の仕事についている方がキャリアアップを目指すときには、介護福祉士の国家資格は有利に働くのではないでしょうか。

介護施設での勤務経験が10年以上の職員には、一部8万円の給料アップがあるなんて話も聞かれている昨今。実際のところ、そんな制度は決まっているわけではないようです。

ですが、介護の仕事はこれからの高齢化社会の中で、需要はさらに高まるのではないでしょうか。そんな中で、国家資格を取得しておくこと、介護業界でキャリアアップをして行くためには良い方法と言えそうです。

最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございました。

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